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血便が出た時のキャットフード

ある日突然猫が血便をしたら驚きますね。
猫の様子を見ると普段と変わらないように見えるかもしれません。
しかし血便は明らかに体調に問題が起きているサインです。
危険な病気にかかっている可能性もあるのです。

血便の種類と原因

血便と聞くと赤い血が混じっているものを思い浮かべるかもしれませんが、黒っぽいものもあります。
体内の出血している部位により色が違うのです。

1.黒っぽい便

口や食道、胃から小腸の辺りで出血している場合、排出される便は黒っぽくなります。

繊維質を含む食べ物により消化器官が傷つき出血することがあります。
また、がんや中毒、胃潰瘍の可能性もあります。

2.便に血液が混じっている

小腸や大腸が炎症を起こして出血すると便に血が混じることがあります。
特に下痢や軟便に混じることが多く、寄生虫やウイルス感染による胃腸炎や腫瘍が原因の可能性があります。
また、食物アレルギーによる炎症が原因で小腸や大腸から出血することもあります。

3.便の外側に血液が付着している

大腸や肛門で出血すると便の表面に血液が付着します。
この場合、便秘気味だったために、硬い便が大腸や肛門を傷つけ炎症が起こる場合もあれば、大腸に腫瘍ができている場合もあります。
また、猫のおもちゃなどの異物誤飲によって血液が付着することがあります。
誤飲の場合腸閉塞を起こす可能性があります。

4.赤い下痢

胃や腸の炎症や腫瘍が原因の可能性が高く、下痢による脱水症状や免疫力の低下や別の病気の併発の可能性もある危険な状態です。

便秘の場合による出血や繊維質による炎症が引き起こす血便は、落ち着くまで少し様子を見ても良いでしょう。
しかし、血便が続いている場合は、注意が必要です。
少しでも気になるなら動物病院へ行くことをおすすめします。
また、血混じりの便や赤い下痢は危険な状態の場合が多いため、早急に動物病院へ行き治療を受けましょう。

血便を引き起こす病気

1.トキソプラズマ症

トキソプラズマという寄生虫による感染症で、トキソプラズマに感染した動物の肉を生のままで食べたり、感染している猫の便から感染します。
動物だけでなく人間にも感染する恐れのある人獣共通感染症です。
妊娠中の猫や人の場合、流産や胎児の健康への被害が及ぶ危険があります。
健康な猫の場合一時的な下痢の症状が出るものの、その後大きな問題が起こることはありませんが、子猫や老猫、持病のある猫など免疫力の弱い猫が発症した場合、嘔吐下痢や血便、黄だん、咳、発熱、食欲不振などが見られます。
主な治療法は抗菌薬を用いた処置になり、他に併発している病気の治療も同時に行います。

市販されているキャットフードは、すべて加熱処理されているので問題ありませんが、普段から手作りのごはんを与えている場合は生肉を充分加熱することや、できる限り室内飼いにすることで感染を防ぎましょう。

2.パルボウイルス感染症

「猫伝染性腸炎」や「猫汎白血球減少症」とも呼ばれます。
パルボウイルスは3年ほど生存可能で1年以上感染性を保持するという特性を持っています。
パルボウイルスはワクチンを接種していない場合ほぼ確実に感染してしまいます。
この病気はパルボウイルスに感染した動物の排泄物や、被毛、エサ、食器、ノミを媒介として感染し発症するため、多頭飼いしている場合感染の拡大を防ぐため感染している猫を隔離しなければなりません。
成人猫の場合はほぼ無症状で、症状が出たとしても軽症で済みますが、子猫の場合は致死率が75%~90%と言われる恐ろしい病気です。
重症化すると激しい嘔吐下痢が続き、便に血が混じるようになり、脱水症状を引き起こします。
現在パルボウイルスに直接効果のある薬はありません。
対策として最も有効なのは年に1度ワクチンを接種することです。

3.猫エイズウイルス・猫白血病ウイルス

これらの感染症は非常に致死率が高い危険な病気です。
猫エイズウイルスは猫同士のけんかなどでできた血がにじむほどの噛み傷や交尾などによって感染します。
猫白血病ウイルスはグルーミングや食器の共有により唾液から感染します。
猫によってはウイルスに感染しても無症状のまま一生を過ごす子もいますが、発症した場合完治させる方法はなく、症状を緩和する治療を行います。
症状として免疫力低下による下痢や発熱、悪性腫瘍、貧血、血小板減少症が挙げられます。
血小板が減ると血液が固まりにくくなり、小さな傷でも出血がなかなか止まらず、血便や血尿などの出血症状や体の表面にチアノーゼが見られるようになります。
予防法は去勢手術を行い交尾やけんかによる感染の機会を減らし、可能なら室内飼いにすることです。
また、ウイルスを持っていてもストレスやけがの機会が減少すれば発症のリスクは下がると言われています。
ストレスの原因を取り除いたり、運動によるストレス発散をさせてあげましょう。
定期的に動物病院に行くことも心がけましょう。

4.熱中症

人間同様に風通しが悪く暑い部屋に長時間いると熱中症にかかりやすくなります。
体が未発達な子猫や体温調節がうまくできない老猫、体に熱がこもりやすい肥満気味の猫、鼻が低く詰まったような体の構造上スムーズな呼吸がしにくい短頭種の猫は特に熱中症のリスクが高いと言われています。
暑さにより急激に体温が上昇すると、大量のよだれが出たりハーハーと荒い呼吸をするようになります。
症状が進行すると目や口腔粘膜の充血、嘔吐や下痢、ふらつきといった症状も出てきます。
さらに悪化すると意識が朦朧とし、痙攣発作や失神、吐血や血便・血尿などの出血症状が出て最悪の場合ショック症状により命を落とすこともあります。
熱中症になってしまったら、猫の身体を冷やしながらすぐに動物病院へ行きましょう。
また、対策として猫を留守番させるときは室内の温度や風通しに気を付けましょう。
猫が涼めるようカーテンを引いて日陰をつくったり、エアコンを点けておくとよいでしょう。
飲み水も用意することも忘れないでください。
車で猫と外出する場合は、車内の温度や換気に注意を払い、直射日光を避け、万一に備え飲み水や濡れタオルを持っていくとよいでしょう。

血便が出たら

血便に気付いたなら、動物病院へ行くことが大切ですが、便の状態や猫の様子を獣医師に伝える必要があります。
可能なら便を採取し病院へ持っていきます。
その場合なるべく水分が飛ばないようにタッパやビニールに入れて持っていきましょう。
ティッシュにくるむことはしないでください。
また、写真を取っておくこともできます。
猫の体調については、どんなささいなことでもいつもと違うと感じたことは全て説明しましょう。
猫が病気になったとき、体調の変化に気付けるように、普段から猫のことをよく観察する習慣を付けておくことが大切です。

基本血便は自宅で対応できるものではなく、動物病院での治療が必要ですが、飼い主さんが猫のためにできることがあります。
それは、弱っている胃腸にかかる負担を軽減するため食事を工夫し、消化性の高い栄養バランスの取れたキャットフードを与えることです。
猫が食べ物によるアレルギーを起こし血便が出た場合は、アレルゲンの含まれていないキャットフードに変えましょう。

おすすめのキャットフード

飼い猫の血便の原因によって与えるべきキャットフードは異なります。
飼い猫の体調をよく知り、獣医師と相談したうえで、ふさわしいキャットフードを選んでください。

1.穀物不使用

繊維質が多く含まれるフードを食べたり、繊維質を上手く消化できないと口内や腸内を傷つけ、出血することがあります。
繊維質の過剰摂取は便秘の原因になり硬い便が腸や肛門を傷つけることもあります。
また、穀物は猫によってはアレルギーを引き起こします。
その場合はグレインフリー(穀物不使用)のフードがおすすめです。

2.高たんぱく高脂肪

弱った胃腸に負担をかけないために、肉や魚を豊富に使用した高たんぱく高脂肪のキャットフードにしましょう。
たんぱく質や脂質は猫にとって消化しやすく胃腸に優しい成分です。
また、脂質を多く摂ることでその油分が便の排出をしやすくするので硬い便が肛門を傷つけることを防いでくれます。

3.低アレルゲン

アレルゲンにより胃腸が炎症を起こし、出血することがあります。
猫は小麦や大豆、トウモロコシなど穀物のアレルギーが多いですが、牛肉、豚肉、鶏肉、卵、牛乳などのアレルギーを起こすこともあります。
しかし、猫がどの食物のアレルギーがあるかは動物病院で検査を受けないとわかりません。
検査結果を見てから、アレルゲンカットのキャットフードを与えましょう。

血便を予防しよう

アレルギーのように検査しないと気づけない原因もありますが、猫が異物や食べてはいけない人間の食べ物を誤飲誤食してしまわないよう注意することや、定期的に動物病院を受診し、ワクチン接種をすることで血便を予防できます。
また、毎日猫の様子や食事、排泄物をよく観察することで体調の変化に気付くことができます。
猫のためにできることをしてあげましょう。

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