キャットフードに入っていても大丈夫な添加物とは?
添加物と聞くと猫に与えるのは怖いと思う方は多いと思います。
しかし添加物はれっきとした役割があり、使用基準内であれば健康に害を及ぼすことはありません。
無添加のキャットフードは確かに安全性が高いですが、管理を怠ればすぐに酸化してしまいます。
酸化したキャットフードは添加物の含まれたキャットフードよりも危険です。
添加物の中には安全性の高いものももちろんあります。
添加物=危険な成分という先入観は持たないようにしましょう。
安全性の高い添加物
トコフェロール(脂溶性ビタミン)
化学合成されていない天然の酸化防止剤ですから非常に安全性が高い添加物です。
老化や動脈硬化を防止し、がんを抑制する作用もあります。
植物から抽出した酸化防止剤
カテキンやローズマリー、ヒマワリなどから抽出した天然の酸化防止剤です。
安全性が高いうえ抗酸化作用に優れ、フードの風味を壊すこともありません。
亜硝酸ナトリウム
亜硝酸ナトリウムはキャットフードの発色を良くするために使用します。
また、防腐剤としての役割も果たしています。
亜硝酸ナトリウムはキャットフード1gに対し亜硝酸ナトリウムの使用量が0.1mgと定められています。
これは生涯摂取しつづけても体に害がない量です。
また、亜硝酸は唾液にも野菜などの食べ物にも含まれており、特に硝酸を含む肥料によって育った野菜に多く含まれています。
このように身近にある成分ですから、化学合成された添加物とはいえ、過度に心配する必要はありません。
ソルビン酸カリウム
ソルビン酸はあらゆるカビや菌、微生物の繁殖を防ぎ、食中毒の発生を抑制する働きがあるため防腐剤や保存料として使用されます。
ソルビン酸は脂肪を構成する脂肪酸の一種化学合成により製造されますが、クラウドベリーの果実の中に含まれていることが分かっています。
ソルビン酸自体は水に溶けにくい性質があります。
その弱点をカバーするのがソルビン酸とカリウムを結合させ水溶性を高めたソルビン酸カリウムです。
ソルビン酸カリウムは厚生労働省により使用基準が定められていますが、人が1日に摂取しても害のない量の100分の1ですから、体に害が及ぶことはありません。
グルタミン酸ナトリウム(アミノ酸)
グルタミン酸は肝臓や腸管などで代謝されるため、体に蓄積されることはありません。
また、グルタミン酸ナトリウムは、日本はもちろん国連食糧農業機構(FAO)や世界保健機関(WHO)など世界的にも安全性が認められています。
キャットフードに使用しているのもうまみによって食いつきを良くするためです。
ビートパルプ
ビートバルプとは、サトウキビと並ぶ砂糖の主原料であるサトウダイコン(テンサイ)から砂糖を抽出した後に残る繊維質で、ペットフードの甘味料として使用されます。
ビートパルプは大腸内で善玉菌を増やして腸内環境を整え形の良い便の排出を促したり、毛玉を体外に排出することを助ける働きがある非常に有用な繊維質です。
さらに、可消化エネルギーも豊富に含まれているためエネルギー源にもなります。
ペットフードには使用が許可された添加物が含まれているので、添加物に対して過敏になる必要はありません。
しかし、100%の安全性が保証されていないものや国や専門家によって安全性の意見が分かれているものがあるのも事実です。
今回ご紹介した添加物も猫の体質によって合う・合わないがあり、アレルギー反応が起こる可能性も否めません。
判断が難しいですが、猫の食いつきが悪かったり、便が緩いなど体質に合わないのではと感じたらキャットフードを変えたり、無添加のキャットフードに切り替えるなど工夫してみましょう。
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