妊娠・授乳期用キャットフード
飼い主さんの中にはブリーダーでなくとも飼い猫に子猫を産ませてあげたいと思い去勢手術をしないことを選ぶ方がいらっしゃるでしょう。
しかし妊娠、出産、授乳時の猫の体調管理は責任を持って行わなければなりません。
母猫だけでなく子猫の健康にも気を配る必要があります。
飼い主さんは何ができるでしょうか。
妊娠中・出産後の猫に必要な食事
人間同様、猫も妊娠中は高血糖や高血圧になりやすいため、栄養バランスには注意が必要ですが、母猫と胎児のために通常より多くのエネルギーも必要になります。
成猫の1日に必要とするカロリーは60~70kcalですが、妊娠中は胎児が成長していくためにその1.5~2倍程のカロリーが必要になります。
胎児の成長と母猫自身の体重増加に伴い食べる量も増えていきますが、母猫の胃が圧迫されるので一度に食べられる量は減ってしまいます。
また、出産後は子猫の成長のために栄養たっぷりの母乳を与えなければなりません。
授乳中は生まれた子猫の数によりますが、約2~4倍のカロリーが必要とされています。
ですから、少量でも栄養バランスがよく高タンパクで必須栄養素が摂取できる、消化性の高いフードがおすすめです。
妊娠・授乳期のキャットフード
妊娠・授乳期の猫専用のキャットフードがありますが、キャットフードの多くは妊娠・授乳期用と子猫用が併用されています。
子猫用のキャットフードは、成長期で多くの栄養を必要としながら胃が未発達で小さいため一度にたくさん食べることが難しい子猫のために、少量で豊富な栄養やエネルギーを補給することができるようになっています。
ですから、成長期の子猫同様少量で多くのカロリーや栄養を摂取する必要がある妊娠・授乳期の猫にも子猫用のキャットフードを与えると良いのです。
子猫や妊娠・授乳期のキャットフードは高たんぱく高脂肪でタウリン、ミネラル、ビタミンなどの栄養バランスが整ったものを選ぶのがおすすめです。
フードの種類は豊富で、穀物不使用のものや、消化しやすいイモなどの繊維質を使用したもの、ヒューマングレードの食材を使用したものなど様々あります。
飼い猫の好みや体質に合うものを選びましょう。
いきなりフードを変えると猫がなかなか食べてくれないことがあります。
その場合はいままで与えていたフードに少しずつ混ぜて徐々に慣れさせたり、おやつやささみ、鰹節などトッピングして食いつきを良くするなどの工夫をしましょう。
どうしても食べない場合は今までのフードを、成猫の食事量の倍にして与えることもできますが、猫もあまりたくさんのフードは食べられないので、小分けにして食事の回数を増やし、少しずつ与えます。
今まで与えていたフードにしろ専用のフードにしろ与えすぎは肥満や高血圧、高血糖の原因になりますから、気を付けましょう。
母猫が授乳期を終え、専用のフードを食べなくなっても、フードが残ってしまった場合、今度は離乳期の子猫にそのフードを与えることができます。
母猫の食欲がない場合
出産後は数時間食べようとしないことがありますが、妊娠中や出産後に数日食べなかったり、弱っていると感じたなら、すぐに動物病院を受診しましょう。
母猫の体調が不安定になりがちな時期なので、日頃からよく猫の様子を観察しておきましょう。
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