キャットフードに含まれている4Dミートとは
ペットフード安全法が施行され、ペットの健康への関心も高まっている今、飼い猫のエサの安全性を気にしている方も多いと思います。
どんなキャットフードが良いのか調べてみると、格安のものは危険、無添加のキャットフードがおすすめなどの言葉をよく目にします。
原材料についても、おすすめのものや危険とされているものが紹介されています。
猫の健康への悪影響が懸念されているキャットフードの原材料として、4Dミートというものがよく挙げられます。
4Dミートとは何でしょうか。
また、そのような危険な原材料は本当に使用されているものでしょうか。
4Dミートとは
米国が肉の品質をランク付けしたもので、Dead・ Dying・Diseased・ Disabledの4つの英単語の頭文字であるDをとって4Dミートと呼びます。
それぞれDead=死んだ動物の肉・ Dying=死にかけている動物の肉・Diseased=病気にかかっていた動物の肉・ Disabled=けがや障害のあった動物の肉を指します。
これらは食品として使用するには適切でない肉類です。
これら劣悪な肉は格安のペットフードに使用されているという情報が横行しています。
日本では4Dミートというランク付けはないもののがんや感染症などの病気で死亡した家畜や、事故にあった犬や猫の死骸、ひづめやくちばしまで格安のペットフードに使用されているというのです。
なぜそのような危険な肉が使用されるのかというと、安価で大量にペットフードを生産する事ができるからと説明されています。
また、手ごろな価格で手に入るペットフードを求める消費者も一定数いるため、4Dミートを使用した粗悪なペットフードはなくならないとも言われています。
さらに、ミートミールや肉副産物と表記されているもののほとんどは4Dミートの疑いがあるとされていますが、果たして本当にそうでしょうか。
確かに、2002年に徳島市、鳴門市、佐那河内村が、路上などで死んだ犬猫の死がいの処理を一般廃棄物処理の認可のない徳島市内の肉骨粉加工業者に委託していた問題がありました。
これによりペットフードの原材料に対する不安が広がりましたが、同市はこの件を陳謝し、廃棄方法を見直しました。
ペットフード安全法による規定
先ほど安価なペットフードに含まれる肉副産物と表記されているもののほとんどが4Dミートの疑いがあるとの情報が出回っているとお話ししましたが、2009年に施行されたペットフード安全法により、有害な物質を含んでいたり、病原微生物により汚染されていたり、それらの疑いがある原材料を用いることはできません。
原材料の肉は色や臭い、品質に問題がないか必ず検査されます。
原材料やペットフードの製造工場では衛生面に関するマニュアルに乗っ取って清潔な環境下での作業を徹底しています。
病気や事故で無くなった動物の遺体はペットフードに使用できるほど定期的に集まるわけもなく、処分するよりも隔離や管理に費用が掛かるため、焼却処分されます。
そもそもミートミールや肉副産物は絶対に食べられない肉を使用しているわけではありません。
ホルモンとして人間が食べる部位や、あくまで食用に流通していないだけの単なるカットミスのものも含まれます。
副産物には内臓や血液、骨などが使用されますが、ひづめやくちばしは含まれないと定められています。
これら副産物をペットフードに使用するに当たり、遵守すべき規定と手続きがあります。
これらの理由から、4Dミートのような危険な肉をペットフードに使用しているとは考えにくいでしょう。
ペットフードは価格より原材料に着目する
ペットフード安全法の適用やペットの健康への関心の高まり、ペットを家族と認識する飼い主さんの増加により、現代ではペットフードの安全性により注意が払われています。
ですから、体に悪影響を及ぼすようなペットフードは極めて少ないと言えます。
とはいえ、我々消費者はペットフードの製造過程や工場の衛生環境など全て知ることは難しく、誤った情報も多く存在するため、真偽を確かめることも簡単ではありません。
安価なもの全て危険というわけではありませんが、より安全性の高いペットフードを選ぶなら、原材料が具体的に表示されているかどうか確認する事をおすすめします。
ミートミールや肉副産物、肉粉などと表記されていても、牛肉や豚肉、鶏肉、魚などどの肉を使用しているか書かれたものもあります。
ペットの体質によっては体調を崩したり、栄養不足やアレルギー反応が起こる場合があるため、原材料を把握することで、どの材料がペットに合うのか、または合わないかわかります。
また、副産物でなく肉や魚そのものを使用したものや、ヒューマングレードの食材を使用しているものは品質が高く、栄養バランスも整っているので、価格よりも原材料や栄養バランスに着目してペットフードを選ぶなら、ペットの健康の促進につながるでしょう。
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