キャットフードになぜ穀物が含まれているのか
猫は肉食動物ですから本来穀物は必要としていません。
ではなぜ多くのキャットフードには穀物が含まれているのでしょうか。
穀物が猫に及ぼす影響
肉食である猫は穀物を消化する能力が高くありません。
ですが、安価なキャットフードには穀物が多く含まれています。
そのため、猫が便秘やアレルギーを引き起こしてしまう恐れがあります。
また、繊維質が胃や腸を傷つけ、下痢や血便の原因になる恐れもあります。
それでも穀物が使用されるのは、コスト削減のためキャットフードのかさ増しに利用したり、腹持ちを良くしたりするためです。
しかし、穀物を使用するもっと重要な理由があります。
穀物(炭水化物)を使用する理由
1.ダイエットフード
先ほど説明した通り、穀物は腹持ちを良くするために用いられます。
また、穀物には植物性たんぱく質が含まれています。
猫に重要なのはアミノ酸が豊富な動物性たんぱく質であるとはいえ、植物性たんぱく質には低カロリーで低脂肪というメリットがあります。
そのため、ダイエットフードとして穀物が利用されるのです。
しかし猫にとって脂肪は重要なエネルギー源です。
穀物を多く含んでむやみに脂肪をカットしたものは栄養不足になる恐れがあります。
ですから、穀物を使用していても脂質はキャットフードに20%、動物性たんぱく質は30~40%ほど含まれているとよいでしょう。
2.療養食
腎臓病や糖尿病などの猫がかかりやすい病気の療養食に穀物が含まれていることがあります。
猫はたんぱく質や脂肪が必要ですが、病気になり内臓の機能が低下していると、それらの栄養素の分解や吸収が困難になり、かえって体に負担がかかってしまう恐れがあります。
そのため、穀物を使うことがあるのです。
3.毛玉対策
猫はグルーミングの際に毛玉を飲み込んでしまいがちです。
毛玉は腸を傷つける原因になります。
穀物に含まれる繊維質は毛玉を体外に排出するよう促してくれます。
そのため、毛玉対策のキャットフードには穀物を使用した物があります。
4.アレルギー対策
猫は穀物でのアレルギーを起こすことが多いと言われていますが、肉や魚でアレルギーを起こすこともあります。
肉や魚のアレルギー持ちの子は穀物を使用したキャットフードを与えるように獣医に指示される場合があります。
穀物のうち米は低アレルゲンです。
穀物の過剰摂取は注意
このように穀物には使用される理由がきちんとあります。
しかし、過剰に摂ると便秘やアレルギーの原因になりますから、あまり穀物を含んでいないものがおすすめです。
炭水化物はイモ類からも摂取できます。
イモ類は猫でも消化がしやすいのでおすすめです。
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