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キャットフードの成分表示(灰分・粗~)

キャットフードの成分表示を見ると灰分や粗などという文字を見かけることがあります。
これが何を指しているのか知らない方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、この成分表示についてご説明します。

粗とは

「粗」という文字を見ると「粗い」「粗悪」「粗末」「粗品」などの単語をイメージしてしまいますね。
そのため、「粗○○」という成分表示を見ると、粗悪な原材料が使用されていると誤解されるかもしれません。
しかしそうではありません。
この「粗」が意味するものは「おおよそ」という意味です。
ペットフード安全法により、たんぱく質、脂肪、灰分、繊維、水の5つに表示することが義務化されています。
なぜかというと、これらの栄養素は正確な成分量の表示が難しいためです。
表示している栄養素に他の成分がわずかながら含まれてしまうのです。
「粗」は「表示している成分に微量な他の成分も含まれる」ことを示しているのです。
この「粗」という表示と共に、「以上」「以下」という表示もされています。
「以上」は必要最低限の含有量を示し、「以下」は栄養素の最大含有量を示しています。
成分量の含有量は「%」を用います。
ちなみに、このような「粗」という表示は人間の食品には使用されていません。
ですから、実はペットフードの方が人間の食品より正確な成分表示になっている部分もあるのです。

灰分とは

灰分(かいぶん)とは、食品や飼料を高温で燃やして残った灰に含まれるミネラル(無機質)のことです。
ミネラルは五大栄養素の一つで、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、塩化物、鉄など約100種類の成分から成っています。
体内での生成が不可能なため、食事から摂取する必要があります。
体の構成や神経細胞の情報伝達、血液凝固(止血)、血圧コントロール、疲労回復など非常に重要な役割を果たしています。
しかしながら、ミネラルは重要な栄養素だからといってたくさん摂取すればいいというわけでもなく、過不足なく摂取しないと腎不全や腎臓病の悪化や糖尿病、尿路結石、高血圧、心疾患などの深刻な病気の原因にもなります。
※詳しくはキャットフードに含まれている栄養素(ミネラル)の記事を参照してください。

灰分の成分量の分析のためにキャットフードを約500~600度の高熱で燃やして出た灰の量を測定します。
この過程で、灰分のうちリンなど気化しやすい成分が消滅してしまう可能性があります。
また、燃焼が不十分だと炭素が残ってしまうことがあります。
そのため、他の成分もわずかながら含まれ、純粋な灰分を正確に表示することが難しく、「おおよそ」という意味を持つ「粗」という文字を用いて「粗灰分」という成分表示をし、成分量については主に「以下」という言葉を付け加えて表示します。

※「粗灰分○%」と表示されている場合も、ミネラルを細かく分けて「マグネシウム○%」「カルシウム○%」「ナトリウム○%」と表示されていることもあります。

いかがでしたか。
粗とは正確に表示できない栄養素に付されるものだと知っていれば、キャットフードに粗悪なものが含まれているのでは、と心配する必要はありません。
ぜひ今後の参考になさってください。

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