猫の病気とキャットフードの関係
人はバランスよく食事をして十分な栄養を摂取すべきであることを知っています。
体に良いとされるものでも極端な摂取は逆に健康に害が及ぶ恐れがあることも知っています。
ですから、偏食や食べすぎ飲みすぎに注意する人がほとんどです。
しかし、猫の場合はどうでしょうか。
野生の場合はネズミなどの獲物でバランスよく栄養を摂取しますが、人に飼われている猫は飼い主から与えられるキャットフードで栄養を摂取します。
キャットフードの多くは総合栄養食ですから、それを食べるなら栄養が偏ることはないでしょう。
しかし、キャットフードについて飼い主さんがどれほどの認識を持っているかによって、猫の健康に影響が及ぶことがあります。
キャットフードさえ与えて入れば良いという甘い考えは猫の病気を引き起こす可能性があるのです。
人間が食事のバランスに気を付ける必要があるのと同じように、飼い猫の食事バランスにも気を付けるべきです。
キャットフードと猫の病気は無関係ではないからです。
今回は、キャットフードと猫の病気の関係についてご説明します。
キャットフードと病気
1.泌尿器疾患
猫がかかる病気の多くが泌尿器疾患です。
泌尿器疾患は膀胱炎や尿路結石、腎臓病などが挙げられます。
猫は身体の構造上泌尿器疾患になりやすい生き物ですが、泌尿器疾患にかかる原因にはキャットフードも関わっています。
キャットフードのタイプによってそれぞれメリット・デメリットがあります。
元々水をあまり飲まない猫は少量で濃度の高い尿を排出するため腎臓に負担がかかり、尿路結石もできやすいという弱点があります。
そのため水分含有量が少ないドライフードでは水分が不足し、時として猫の健康に影響を及ぼすことがあるのです。
一方ウェットフードは水分含有量が多く、風味も猫の好みに合ったものですが総合栄養食ではないものが多く、それだけ与えていると栄養が偏ってしまいます。
また、たんぱく質が豊富なので、食べ過ぎると体内の尿素が増え腎臓に負担をかけてしまいます。
2.糖尿病
猫は血糖値が上昇しやすく下降しにくいという体質ゆえに糖尿病のリスクも高いという特徴があります。
この病気を発症する原因はいくつかありますが、食べ過ぎや早食い、肥満も理由として挙げられていますから、やはり普段のキャットフードの与え方が原因となっている可能性があります。
3.肝臓病
肝臓は病気に侵されていても症状が表に現れるのは末期になってからです。
そのため原因の特定は難しいものですが、肉や魚の食べ過ぎや肥満も原因の一つとされていますから、やはり食事の管理を怠るのは危険です。
キャットフードの与え方に気を付ける
先ほど説明したとおり、栄養の偏りや食べ過ぎ、肥満は様々な病気の原因となります。
病気を予防するには食事として与えるキャットフードが総合栄養食であることはもちろん、一日に与える回数や量を記載された目安量や飼い猫の体質を考慮してキャットフードの量を調節することが大切です。
同じキャットフードばかりでは猫が飽きてしまうことや、ものによっては栄養が偏ることがあるので何種類かのキャットフードを混ぜたりローテーションさせたりして与えてもよいでしょう。
さらに、猫は水をあまり飲まないゆえに泌尿器疾患にかかるリスクを高めてしまうので、水分補給をさせることを忘れてはなりません。
水分含有量の少ないドライフードを主食としている猫なら食事の際水も出して飲ませるようにします。
ウェットフードなら食事と同時に水分補給が可能ですが肉や魚の食べ過ぎ(たんぱく質や脂質の過剰摂取)が病気の一因ともなり得るため、ドライフードとウェットフードを交互に与えるなど工夫しましょう。
また、ミネラルの過剰摂取は尿路結石や糖尿病の原因になりますから、ミネラルウォーターの硬水は与えないようにしましょう。
水道水で十分健康を保てますが、どうしてもミネラルウォーターを与えたい場合は軟水のものを選ぶように気を付けましょう。
※詳しいキャットフードの与え方はキャットフードはいつあげればいいのかの記事を参照してください。
猫の健康のためには
キャットフードは猫の栄養バランスを考慮したものですが、人間の食事同様食べる量や回数に気を付けなければいずれは病気を引き起こしてしまう可能性があります。
猫にねだられるたびに与えてしまうことや、エサを出しっぱなしにして猫が一度にたくさん食べられる状態にしてしまうことは避け、一日に必要な分だけ与えるよう心がけましょう。
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