キャットフードに含まれている栄養素(脂質)
脂質と聞くと肥満の原因になるため控えるべきものというイメージがあるかもしれませんが、人間にとっても猫にとっても大切な栄養素で、適正な量を摂取するなら体にとって益になります。
脂質とは
脂質は体内に取り込まれるとエネルギーとして脳の活性化や筋肉や細胞、血液などの組織の構成をします。
また、分解されて糖質となって利用されたり、必要とされるまで肝臓に蓄えられたりします。
ほかにも、ホルモンの元となったり、脂溶性ビタミンの吸収を促したり、体温や血圧を安定させたり、皮膚を保護する働きがあります。
脂質に含まれる成分
脂質は細かく分けると油脂とステロール類リン脂質、脂溶性ビタミンなどがあります。
1.油脂
グリセリンと脂肪酸が結合したものです。
脂肪酸には「植物性脂肪酸」と「動物性脂肪酸」があり、猫の必須脂肪酸の多くは後者に含まれています。
必須脂肪酸にはリノール酸、αリノレン酸、アラキドン酸、EPAやDHAなどがあります。
リノール酸
体内で生成することが猫にはできないので食事から摂取します。
エネルギーや細胞の原料になり、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。
リノール酸の一部はアラキドン酸に変換されます。
リノール酸は過剰摂取をすると善玉コレステロールまで減らしてしまい、血液がドロドロになったり、様々な病気の原因になってしまいます。
バランスよく摂取する必要があります。
アラキドン酸
リノール酸同様体内で生成できないため、食事をすることで摂取します。
アラキドン酸は肉や魚やレバーに多く含まれています。
脳の活性化や皮膚や細胞を構成し、丈夫な体をつくります。
また、毛艶を良くし、消化を助け、免疫力や内臓の機能の向上を促します。
αリノレン酸
体内で生成することができないので、食事によって摂取します。
血液中の中性脂肪を減少させ、アレルギーを抑制したり体内でEPAやDHAを発生させ、血栓ができることを防ぐ働きがあります。
EPA・DHA
血液をサラサラにし、中性脂肪を減らし、ガン細胞の抑制効果があります。
αリノレン酸により体内で生成することもできますが、それだけでは不十分ですから、EPA・DHAが多く含まれる魚を食べることが大切です。
2.コレステロール
細胞膜やホルモン、脂肪を消化する胆汁酸をつくる元となります。
また、脳の情報を体の各部に伝達するために不可欠です。
3.リン脂質
細胞の構成や、脳の神経細胞同士を結合する伝達物質のアセチルコリンの原料となっています。
また、血液中にコレステロールが溜まってしまうことを防ぎます。
脂質の含まれる食べ物
肉や魚、乳製品、豆類などに含まれています。
猫は肉食なので、肉や魚から必要な脂質を摂取すると良いでしょう。
アラキドン酸やEPA・DHAは肉や魚に多く含まれていますが、リノール酸やαリノレン酸は植物性の食べ物に多く含まれているものですが、総合栄養食と表記されたキャットフードにはバランスよく脂質が配合されており、必須脂肪酸を摂取することができます。
脂質は丈夫な体をつくるために重要な働きをしますが、もちろん過剰摂取は肥満の原因になりますから、キャットフードは与えすぎないよう気を付けましょう。
また、適度に運動させて、脂肪を燃焼するよう促しましょう。
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