歯垢・歯石がつきにくくなるキャットフード
3歳以上の猫の約8割が歯周病にかかっていると言われています。
これは30代以上の日本人の歯周病の割合とほぼ同じです。
歯周病は口臭、歯肉の炎症から始まり、進行すると歯肉から血や膿が出たり、顎の骨が溶かされ歯が抜け落ちてしまいます。
また、歯周病菌は傷口から血液に侵入し体内に回ると心臓病など恐ろしい病気を引き起こします。
歯垢は放置すると硬くなり歯石へ変化します。
歯石になってしまうとブラッシングでは落とすことが出来ず、除去するために全身麻酔をしなければならない場合があります。
猫の体に余計な負担はかけたくありませんね。
ですから猫も歯磨きをする必要がありますが、大抵の猫は嫌がるので簡単ではありません。
そのため、歯磨きの代わりに食事しながら歯垢を落とせるキャットフードが販売されています。
おすすめはドライフード
肉や魚などの素材の風味や食感を生かし、水分が多く柔らかいウェットフードはどうしても歯垢が付きやすい食品です。
それに対しドライフードは乾燥していて噛みごたえがあり、歯垢が付きにくいという利点があります。
歯垢、歯石対策のエサの多くはドライフードです。
通常のドライフードと比べると値段が高いことが難点ではありますが、猫の健康を考えるなら、買って損はないでしょう。
歯垢対策のドライフードには、栄養素も十分に含まれ、主食として与えることができるものがあります。
フードを噛むことで歯や歯肉に付着した歯垢を粒が絡め取り、歯と歯肉の健康を維持してくれます。
しかし、歯垢を落とすために粒が比較的大きく、固めに作られているので、噛む力がしっかりしている猫でないと噛み砕くことが難しいかもしれません。
子猫や老猫は噛む力が弱いので、成猫のうちに食べてもらうとよいでしょう。
また、おやつ用のドライフードやクッキー、ジャーキーもあります。
噛みごたえがあるので、たくさん噛むことで歯垢や汚れを落とし、歯をきれいにしてくれます。
こちらも歯が生えそろい、噛む力がある成猫に与えましょう。
歯石予防フードの与え方
猫にも好みがありますから、せっかく買ったのに、好みに合わず食べてくれないということもあり得ます。
失敗しないために、動物病院やペットショップで試供品がもらえるならそれをまず試しに与えてみることができます。
猫が気に入ったなら、主食として出してあげましょう。
通常のドライフードより価格が高いうえ、内容量が少ないので、主食として与えるとすぐになくなってしまい、経済的に余裕がないと感じるなら、おやつとして毎日少しずつ与えるのも良いでしょう。
歯垢は食べかすに細菌が集まり歯にこびり付くので、食事の度に歯垢が付着するリスクがあります。
ですから、時々フードを与えるだけでは効果がありません。
毎日与えるようにしましょう。
一番の歯垢対策はやはり歯磨き
歯垢対策のキャットフードを毎日食べるなら口内の健康に効果があるとはいえ、やはり歯磨きとくらべると歯垢を落とす効果は減少します。
できれば、歯垢対策のキャットフードを与えるほかに、少しずつ歯磨きに慣れるようブラッシングの訓練したり、水で濡らした布や歯磨きシートで歯の汚れをふき取るなどして歯垢を落とすことに努めましょう。
家庭での歯磨きでは落としきれない歯垢や歯石は、動物病院で綺麗に落としてもらうことができます。
口内の健康は身体全体の健康に影響しますから、大切な猫ちゃんを病気から守るために、毎日歯をきれいにしてあげましょう。
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